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治療で「神経を抜く」とは、どういう意味ですか?

2018年08月15日

板橋区上板橋の歯医者さん、シエル歯科クリニックです。
今回のテーマは「神経を抜くこと」です。
虫歯治療の際、虫歯の進行状況によっては神経を抜くことを提案されることがあります。

そんな時、治療の一貫だと認識して了承するものの、
実際には神経を抜くことに不安を感じる患者さんは少なくないと思います。
そこで、ここでは歯科治療における「神経を抜くこと」についてお話していきます。

神経はどこにあるのか

分かりやすく説明すると、歯の神経はある位置は象牙質の下になります。
歯は表面がエナメル質に覆われており、その奥に象牙質がありますが、
象牙質のさらに下は歯髄腔と呼ばれる箇所になっており、歯の神経はその中を満たしています。

つまり虫歯が神経まで進行している場合、表面のエナメル質、その奥の象牙質、
さらに下の神経まで虫歯菌が到達していることになるため、虫歯は相当進行してしまっています。
ちなみに神経は感覚を直接伝えるため、虫歯が神経まで進行すると酷い激痛を感じるようになります。

神経の役割

私達が歯の神経の存在を最も感じるのは、おそらく虫歯が神経まで進行した時ではないでしょうか。
眠れないほどの辛い激痛を感じ、そのため神経があることがデメリットにしか思えない方もいるでしょう。
しかし、歯の神経は私達の身体の健康において見えないところで様々な役割を果たしています。

・歯を虫歯から守っている
虫歯になると歯の神経によって歯が強くなり、象牙質を再生させるなどの防御機能が働きます。
また、虫歯の進行を防ぐために虫歯菌が進入する経路を塞ぎます。

・満足な食事をさせる
熱いものを食べれば熱く、冷たいものを食べれば冷たい、
食事においてこうした感触を得られるのは神経があるおかげです。

・歯に栄養を届けている
歯に届く水分や酸素や栄養は、神経の中にある血管を通じて歯に届けられます。
つまり神経が失われてしまうと、こうした栄養が一切歯に届けられなくなってしまいます。

・歯の異常を教えている
そもそも、虫歯で歯が痛いと感じるのは神経があるからです。
神経がなければ歯の痛みを感じなくなり、そうなると虫歯になっても気づかなくなってしまいます。

…神経にはこのような役割があります。
つまり神経を失えば、神経によるこれらの役割が失われることになります。
それは身体にとって確実にマイナスになりますが、それでも神経を抜かなければならないことがあるのです。

神経を抜かなければならないケース

基本的に歯科治療では神経を抜くことを前提にはしていません。
ですから、神経を抜く場合はそうするしかない…つまりやむを得ない場合です。

・神経まで虫歯が進行している
神経まで虫歯が進行すると、神経は虫歯菌に感染した状態になります。
さらに激痛が続いてしまうため、この場合は神経を抜かなければなりません。

・重度の知覚過敏が起こっている
軽度な場合は問題ないですが、重度の知覚過敏になると象牙質まで傷ついており、
様々な刺激が神経に直接伝わって激痛を感じます。この場合も神経を抜かなければなりません。

・歯の根に膿みがたまっている
歯の根が細菌に感染すると、その先端に膿みの袋ができることがあります。
この場合は神経が死んでしまっている可能性がありますが、清掃と消毒が必要になります。

根管治療について

治療において神経を抜く場合、神経だけ抜いて終わりではありません。
歯髄腔の中の神経を専用の器具で丁寧に除去し、
その上で清掃と消毒をして再び封をするのが治療の流れであり、これを根管治療と呼びます。

根管治療は歯科治療の中でも難しく、
なぜなら歯の根…つまり根管内の形状は人によって異なるからです。
このためレントゲンやCTを使用して、歯の根の長さや形状を確認して慎重に行います。

ここで細菌を取り逃してしまうと、封をしたことで細菌を閉じ込めた状態になってしまい、
時間の経過で再び激痛を感じるようになるため再治療が必要です。
その意味でも、根管治療は腕の良い信頼できる歯科医に行ってもらわなければなりません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、神経を抜くことについてまとめます。

1. 神経はどこにあるのか :歯の表面のエナメル質の奥に象牙質があり、象牙質の下に神経がある
2. 神経の役割 :歯を虫歯から守る、満足な食事をさせる、歯に栄養を届けている、歯の異常を教える
3. 神経を抜かなければならないケース :神経まで虫歯が進行している、重度の知覚過敏が起こっている
4. 根管治療について :歯の神経を抜く際は歯髄腔の中の清掃と消毒も行い、これを根管治療と呼ぶ

これら4つのことから、神経を抜くことについて分かります。
神経を抜いた歯は栄養が届かなくなり、そのため細菌に感染しやすく脆い状態になってしまいます。
さらに見た目にも影響し、歯が変色してしまうのです。

このため神経を抜くことは確実にマイナスなのですが、
起こっている症状次第ではそれでも神経を抜かなければならなくなります。
そうならないためには、普段からの予防や早期治療を心掛けなければなりません。