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症例集

歯周再生療法を施した症例

2020年07月20日

「え?顎の骨が溶けるの???」

歯周病は骨の病気です。
歯槽骨が溶ける骨の病気です。

歯周病の説明をすると、このような患者さんの反応が多いです。
なかなか歯周病のニュアンスは伝わりにくいと実感しています。

歯石はなぜ取らないといけないのか?
深いところについた歯石は、麻酔をしてとるのはなぜ?

歯周病がどのように重症化するのか?
歯周病の各ステージにおいてどのような治療になるのか?

これがわかりにくいと思うのですね。

ですので、中等度の歯周病で骨が溶けてしまった場合の治療をみていきましょう。

この患者さんは、歯ぎしりが強い方です。
そして歯石が多く歯根について、骨も溶けているのをレントゲンで確認できました。
歯肉に炎症があり、そこへ、ぐりぐりと過度な力が加わると骨が溶けると言われています。
でも、おそらく口の中をみて、歯周病だなと多くの人は思わないですよね?
患者さん自身も、痛みがあったり腫れたりしないわけです。
でもレントゲンを見ると骨は溶けているし歯石もついている。

では、歯肉を切って中を見てみましょう。

黒い歯石が見えますね。
歯石の周りの骨が溶けて、窪んでいますね。
これが歯周病です。
ここでちょっと考えてください。例えばテレビのコマーシャル
歯磨き粉の新製品ができました!!
歯周病に効く成分を配合!!

この写真を見てもそう思います?
確かに健康な人が歯周病予防でそのような歯磨き粉を使うのは、ある程度の効果があるかもしれません。しかし進行してしまった歯周病は、歯磨き粉では治りません。

まずは、歯石を取り徹底的に歯根面を綺麗にし、歯槽骨にこびりついた肉芽という炎症性の組織を取り除きます。
歯周再生療法はこの綺麗にする作業(デブライドメント)をいかに丁寧に徹底的に出来るかが治療の結果に結びつきます。

私がかつてAAP(アメリカ歯周病学会)で、元AAP会長に聞いた話では、再生療法に1本の歯に1時間かけてデブライドメントすることもあるということです。


さて、綺麗になった根面のまわりの溶けてしまった骨は、ほっておいたら治るのでしょうか?
治りません。
そこでこの症例ではエムドゲインという歯周組織を再生させる薬を使います。
しかしこの薬はゲル状なので、ここにバイオスという牛の骨の粉末からできた骨補填材を混ぜます。

さらにバイオスが散らばらないように、コラーゲンでできているバイオガイドという溶ける膜でバイオスをカバーします。

縫合した後は、ワイヤーで1年間固定します。
骨折の治療でギプスをするのと同じですね。
そもそもはぎしりで、ぐりぐりされているのも骨が溶けた原因の一つなので
患部が動かないというのは重要です。
1年待った歯肉の状態です。
段差のない平らな引き締まったいい状態です。

ここで再び、手術をします。
骨が再生していることがわかります。
骨の形を生理的な滑らかな状態になるように微細な凸凹を形態修正し
再び歯周病になりにくい、骨の形にしておくことはとても重要です。

治療前と比べるとよくわかります。

これが歯周再生療法の治療の流れになります。

治療期間:1年間
費用:15万円 (健康保険適応外)