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症例集

バイオセラミックス MTAセメント

2017年08月21日

術前

一見、穴は開いてはいませんが
うっすら黒ずんでいるのがわかります。
入口は狭く歯の中で虫歯が広がっている事を想像できます。
虫歯を取ってみると、やはり茶色くは変色している虫歯が大きく広がっていました。
虫歯の部分は別名「軟化象牙質」と言って文字どおり柔らかいです。
器具で象牙質を掻き出すと、焼き栗のような触感があります。
ホクホクした感じで取れていきます。

ここで、虫歯にやられていない部分は極力残したいので、「齲蝕検知液:うしょくけんちえき」
という虫歯のみ染まる液を使って、目視で虫歯だけ取り除いていきます。
虫歯が深そうなのでラバーダムというゴムのシートで治療する部分以外は覆います。養生シートみたいですね。
これによって、唾液に触れさせないようにします。

唾液の中には雑菌が一杯だからです。歯の中には神経と血管が入っています。
慎重に虫歯だけ取っていきましたが、神経まで達してしまいました。これを「露髄」と言います。
普通なら、ここで神経を取る処置に移行します。
しかし今回は、患者さん自身、普段虫歯の痛みは感じていませんでした。

術中

また神経が生きていることも事前の検査でわかっていました。よって、患者さんの希望も踏まえて、神経を取らないで保護する方法を選択しました。
生体親和性の高いバイオセラミックスである「MTAセメント」を使います。
露出した神経の部分をしっかりと消毒してMTAセメントをつめていきます。その上から仮の蓋をして様子を見ます。

例えば、10代の方で神経を取らなければいけない大きな虫歯があったとします。
神経を取ってしまうと、その歯は死んでしまいます。
枯れ木と一緒で非常に割れやすくなります。
なので金属の冠でかぶせるのですが、それでも割れやすいのです。
歯根破折と言って、神経を取った歯に起こりやすい大きな問題なのです。

日本の女性の平均寿命は86歳ですが
10代で神経を取ってしまった歯は86歳までもつ確率はどのくらいでしょうか?

大事なことは虫歯にしないことです。
しかし虫歯になってしまったら、きちんと虫歯を取りきって、
削ったところを確実にカバーすることです。

近年著しいMTAセメントの進歩

近年、MTAセメントの進歩は著しいものがあります。
残せなかった歯の中の神経を残せる確率が飛躍的に高まってきました。
神経を取ってセラミックの歯を入れますと高額な治療費になります。

もちろんMTAセメントを使う治療も保険診療ではなく自費診療になります。
しかしセラミックの歯に比べ、格段に安価ですし、何より歯の寿命を延ばせるのです。
奇跡の治療:バイオセラミックス MTAセメント!!!
とまでは言いませんが歯科治療のあり方が大きく変わっている
トピックスではあります。

歯髄を守り 歯を残す
MTAセメントという選択肢があるということを知っていただけたら幸いです。
上板橋 シエル歯科クリニックでは、地域の皆様の歯を守るために最新の技術を取り入れ日々研鑽しています!